「レーザーを当てるだけで、本当に髪が生えるのか?」新しい治療法に対して、その効果の信憑性に疑問を抱くのは、当然のことです。AGAに対する低出力レーザー治療(LLLT)は、単なる気休めや民間療法ではなく、その有効性が、数多くの科学的な研究によって裏付けられつつある、医学的根拠に基づいたアプローチです。この治療法の有効性を示す上で、最も重要なのが、米国の「FDA(食品医薬品局)」の存在です。FDAは、日本でいう厚生労働省にあたる機関で、医薬品や医療機器の有効性と安全性について、世界で最も厳しい基準で審査を行うことで知られています。そして、いくつかの低出力レーザーを用いた医療機器は、このFDAから「AGA(男性型および女性型)に対する有効性と安全性を有する医療機器」として、「承認(cleared)」を受けているのです。これは、質の高い臨床試験において、レーザーを照射したグループが、照射しなかった偽の機器を使ったグループ(プラセボ群)と比較して、統計的に有意な毛髪の密度の増加や、毛の太さの改善が認められたことを意味します。具体的なメカニズムとしては、前述の通り、特定の波長の赤色光が、毛根の細胞にあるミトコンドリアを活性化させ、細胞のエネルギー源であるATPの産生を促進することが、細胞レベルの研究で示唆されています。また、血行促進効果や、抗炎症作用なども、発毛をサポートする要因として考えられています。もちろん、その効果は、フィナステリドやミノキシジルといった医薬品に比べて、穏やかであるという側面はあります。また、効果の現れ方には個人差も大きいです。しかし、FDAの承認という、客観的で信頼性の高いお墨付きがあることは、この治療法が、単なるエステティックな施術ではなく、医学的なエビデンスに基づいた、確立された治療の選択肢の一つであることを、力強く物語っています。薬物治療以外の選択肢を模索する人々にとって、この科学的背景は、大きな安心材料となるでしょう。
AGAレーザー治療の効果は科学的に証明されているのか