長年、進行する薄毛に悩まされてきた僕は、ある日ついに決意し、バリカンで髪をすべて刈り上げ、坊主頭にしました。これで毎朝鏡の前で髪型に悩む時間から解放される、そう思ったのです。しかし、実際に坊主頭になってみると、想像していたよりも頭皮のスカスカ感が目立ち、特に頭頂部や前頭部の地肌が透けて見えることに愕然としました。これでは薄毛を隠すどころか、余計に強調してしまっているのではないかと、新たな悩みを抱えることになったのです。最初のうちは、外出時には必ず帽子を被り、人の視線が頭に集中しているのではないかと常に気にしていました。しかし、いつまでも隠しているわけにもいかないと思い、何か対策はないかと情報を集め始めました。そこで行き着いたのが、頭皮ケアの重要性です。坊主にしたことで、これまで髪に隠れていた頭皮が露わになり、その状態がダイレクトに見えるようになったわけです。僕はまず、シャンプーを頭皮に優しいものに変え、洗髪後はしっかりと保湿するようになりました。また、血行促進のために毎晩頭皮マッサージを欠かさず行いました。すぐに効果が現れるわけではありませんでしたが、続けていくうちに頭皮の状態が少しずつ改善されていくのを感じました。フケや乾燥が減り、心なしか頭皮にハリが出てきたような気がしたのです。そして何より大きかったのは、自分の頭皮と真剣に向き合うことで、薄毛に対するネガティブな感情が少しずつ薄れていったことです。スカスカ感は完全には消えませんでしたが、清潔感を保ち、堂々としていることで、以前ほど気にならなくなりました。坊主にしたことで、新たな自分と向き合うきっかけを得られたのかもしれません。