薄毛対策において、高価な育毛剤やトリートメントを使うこと以上に効果的だと言われるのが、頭皮マッサージによる血行促進です。髪の毛は血液によって運ばれる酸素と栄養を糧にして成長します。しかし、頭皮は重力の影響を受けにくく、さらに心臓から一番高い位置にあるため、どうしても血流が滞りやすい場所です。加えて、ストレスやデスクワークによる眼精疲労、首や肩のコリは、頭部への血流を遮断するダムのような役割を果たしてしまいます。頭皮が硬い人は薄毛になりやすいとよく言われますが、これは血行不良により頭皮が砂漠化している状態を示しているのです。私が推奨するのは、入浴中や入浴後の体が温まっているタイミングで行う、一日わずか一分の頭皮マッサージです。難しいテクニックは必要ありません。両手の指の腹を頭皮に密着させ、頭蓋骨から頭皮を剥がすようなイメージで、円を描くようにゆっくりと動かします。決してこすってはいけません。頭皮そのものを動かすことがポイントです。まずは耳の上あたりにある側頭筋から始め、徐々に頭頂部へと指を移動させていきます。頭頂部には筋肉がないため、周囲の筋肉をほぐして血流を送り込む必要があります。特に注目してほしいのが「百会(ひゃくえ)」というツボです。頭のてっぺん、左右の耳を結んだ線と鼻からの線が交わる場所にある万能のツボで、自律神経を整える効果があります。ここを中指で優しく、気持ちいいと感じる強さで押すことで、全身の緊張が解け、血管が拡張して血流が改善されます。リラックスした状態でマッサージを行うことは、副交感神経を優位にし、髪の成長に必要な成長ホルモンの分泌を促すことにも繋がります。マッサージは継続こそが力なりです。一度や二度行っただけでは劇的な変化は見込めませんが、毎日続けることで頭皮は確実に柔らかさを取り戻します。柔らかく弾力のある頭皮は、太く強い髪を育てるための豊かな土壌となります。また、自分の頭皮に毎日触れることで、「今日は少し硬いな」「脂っぽいな」といったコンディションの変化に敏感になり、早めのケアができるようになるという副次的なメリットもあります。一分の習慣が、数年後のあなたの髪の運命を大きく左右するのです。
毎晩一分の頭皮マッサージが髪を救う